「WALL・E/ウォーリー」ほか
昨年の映画ベストテンを選んでいて痛感したのが感想を書いていない映画が多いこと。いろいろと忙しいためもあるが、「母べえ」も書いてませんでした。これはいかん。今年からは短くてもいいから必ず書こう。ちなみに選んだベストテンの1位は洋画が「ラスト、コーション」、邦画は「おくりびと」という極めて普通の選択になりました。
最近見て感想を書いてなかったのが昨年末に見た「WALL・E/ウォーリー」。合評会の課題作でもあるので、自分のためにメモしておくと、これ、正直な映画だと思う。キャラクターがかわいくて3DCGの技術も脚本もうまくまとまっている。地球環境保護のテーマも真っ当だ。700年間宇宙を旅している人間たちがいずれも太っているのは実にありそうだ。そしてこれもエコのテーマにつながっていく。ロサンゼルス批評家協会賞を取っても異論はない。
だが、個人的には正直に作ってあるだけでそれ以上のものはないと感じた。SFのセンスは普通、語り口も普通。過不足はないのだけれど、ここは凄いと感心した所がないのである。子供向けあるいはファミリー映画としてこれほどまとまった映画なら不満を述べる筋合いはないが、ただまとまっているだけのことなのである。監督のアンドリュー・スタントンの作品には「バグズ・ライフ」「ファインディング・ニモ」のどちらにも同じようなことを感じた。平均的にそつなくヒットを打つが、ホームランは少ないタイプと言えようか。で、この映画のパンフレット、確かに買ったのだが、家の中で見あたらない。年末の大掃除でどっかに消えたようだ。車の中にあったのでスキャンした。
「WALL・E/ウォーリー」に関してはキネ旬1月下旬号で立川志らくが、映画の中に出てくる「ハロー・ドーリ-!」について、数ある傑作ミュージカルの中でこれを選んだことに不満を書いている。これも「ハロー・ドーリー!」にかこつけて映画全体への微妙な不満を述べているのではないかと思う。「ハロー・ドーリ-!」という普通の出来のミュージカル(IMDBで6.8)を選んだのは普通の監督のアンドリュー・スタントンにはふさわしいかもしれない。といっても僕は見てないんですけどね。スタントン、かなり優等生でマニアックなところはないのではないか。
キネ旬1月下旬号と言えば、東宝の2009年ラインナップが紹介されてあった。期待できるのは24日公開の「誰も守ってくれない」(君塚良一監督)、映画館のマナーの爆笑CMにも使われている「クローズZEROII」(三池崇史監督)、「アマルフィ 女神の50秒」(西谷弘監督)、「BALLAD 名もなき恋の歌」(山崎貴監督)、「ヴィヨンの妻」(根岸吉太郎監督)、「ゼロの焦点」(犬童一心監督)などか。
「20世紀少年」の第2章と第3章に関してはあまり期待はしていなが、第1章をあそこまでつまらなく作ったのだから、あれ以上に落ちることは考えにくい。といっても原作は第1章の部分が一番面白かったんだけど。
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コメント
K-20じゃなかったでしたっけ?課題作。
あららー、勘違いしてました。
投稿: 45 | 2009年1月 3日 (土) 23時28分
「K-20」と「ウォーリー」と「トウキョウソナタ」の3本ですよ。
投稿: hiro | 2009年1月 4日 (日) 00時00分