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2009年6月 2日 (火)

「天使と悪魔」

「天使と悪魔」パンフレット ダン・ブラウンのベストセラーを「ダ・ヴィンチ・コード」に続いて、ロン・ハワード監督が映画化。原作は未読、前作も見ていないから比較のしようがないが、アキヴァ・ゴールズマンとデヴィッド・コープが脚本を書けば、これぐらいの話になるのは当然で、この過不足ない脚本を得てロン・ハワードはスピード感たっぷりの演出で2時間18分を突っ走る。ハワードは正統的なハリウッド映画を継いだ監督で、こうした大作を撮るのにふさわしい。特に後半の展開とクライマックスのスケールの大きさには見応えがあった。ハンス・ジマーの音楽もスピード感とサスペンスを大いに煽っている。しかし、面白いだけの映画という言い方がピッタリ来るのが悲しいところ。後に何も残らないけど、面白ければいいんじゃない、という映画なのである。登場人物のキャラクターを描き込めば、サスペンスはもっと高まっただろうし、情感も生まれただろう。そこがすっぽり抜け落ちているのが残念だ。ハワードは面白い映画について何か誤解しているのかもしれない。

スイスの欧州原子核研究機構(CERN)で生成に成功した反物質が何者かに強奪される。同じころ、4人の枢機卿が誘拐され、カトリックに憎しみを抱く伝説的な秘密結社イルミナティから脅迫状が届く。折しも、ローマ教皇が死に、ヴァチカンでは次の教皇を選ぶコンクラーベが行われようとしていた。イルミナティは教皇候補を殺すとともに、反物質によって、ヴァチカンを消滅させようとしているらしい。ハーヴァード大学の宗教象徴学教授のロバート・ラングドン(トム・ハンクス)はヴァチカンに呼ばれ、CERNの女性科学者ヴィットリオ・ヴェトラ(アイェレット・ゾラー)とともに4人の枢機卿の行方を追う。やがて枢機卿は1時間おきに殺されていく。そして反物質の爆発リミットが迫ってくる。

前半、枢機卿が1人ずつ殺されていく場面は殺し方にそれほどの工夫がなく、ラングドンがちっとも間に合わないのに加えて構成もやや単調。火あぶりにされる枢機卿の場面はやっと間に合ったかと思ったら、警官隊が犯人1人に手こずって次々に殺され、枢機卿の火あぶりを促進するような結果になってしまう体たらく。タイムリミットが迫ってから面白くなったが、ツッコミ所は多く、なぜ反物質の生成が犯人に分かったのかとか、なぜ研究所に忍び込めたのかとか、あまりに敵側のスケールが小さいのではないかとか、気になってくる。脚本は細部の説明を省略してスピード感に力を入れたのかもしれない。映画としてはそれほど間違っていない脚本の作りだが、やや荒っぽいところはある。

ヴィットリオ役には当初、ナオミ・ワッツがキャスティングされる予定だったそうだ。ワッツならもっと情感が生まれたのではないかと思う。アイェレット・ゾラーは姿形は整っているけれども、どうも魅力的な雰囲気に欠ける。もっとも、この華を添えるだけに等しい役柄では魅力を発揮するのは難しかったのだろう。

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コメント

ナオミ・ワッツは良いです・・・
普通っぽいのに何か抱えていそうなところがたまりません。

投稿: 45 | 2009年6月 3日 (水) 01時14分

ワッツは良いんですが、トム・ハンクスの相手役としてはどうか、という気もしますね(^^ゞ
ワッツの主演映画を見たいです。

投稿: hiro | 2009年6月 3日 (水) 22時49分

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